腕が上がらなかった飲食業の方の話|一宮

公開日: / カテゴリ: サロンのNEWS

著者: 服部 健太(はかぜ整体院 院長・施術歴10年)

厨房やカウンターの中で前かがみの作業を続けていると、首や腰だけでなく、腕が上まで上がりにくくなることがあります。前かがみと腕の上がりにくさがどうつながるのかと、仕事の合間に確かめる方法をまとめました。

腕が上がらないと聞くと、肩の関節そのものの問題を思い浮かべます。けれど、前かがみの仕事を長く続けてきた方の場合、肩より先に背中のほうが動かなくなっていることがよくあります。

腕を真上まで上げるとき、動いているのは肩の関節だけではありません。肩甲骨が外へ回りながら上を向き、背中の上のほうが少し反り、胸が開く。この三つがそろって、はじめて腕は耳の横まで上がります。試しに背中を丸めたまま腕を上げてみると、途中で止まるのが分かるはずです。

調理台やシンクは、たいてい腰より少し低い位置にあります。包丁を使う、盛りつける、洗う。どれも視線を落として、両腕を体の前に出したままの作業です。背中は丸まり、肩は前に入り、肩甲骨は外に開いたまま動く機会がありません。一日に何時間も、それが何年も続きます。

そうして背中と肩甲骨が丸まった形のまま固まってくると、肩の関節に問題がなくても、腕の通り道がふさがったようになります。上の棚に手を伸ばしたときに引っかかる、エプロンの紐を後ろで結びにくい。そうした場面で気づく方が多いです。

首と腰の痛みも、同じ形から出てきます。前に落ちる頭を首の後ろが引き止め、前に傾いた上半身を腰が引き止める。腕、首、腰と場所は別々でも、元になっている姿勢はひとつということがあります。

じっとしていても肩がうずく、夜に痛みで目が覚める、腕の力が急に入らなくなった。こうしたときは肩の関節や腱に炎症や傷があることも考えられるので、先に整形外科で診てもらってください。

閉店後に一分でできる、腕の上がり方の確かめ方

壁に背中とお尻をつけて立ち、両腕を前から上へ上げていきます。腰を反らさずに、手の甲が壁につくところまで上がるか見てください。途中で腰が壁から浮く、肘が曲がる、左右で高さが違う。それが今の背中と肩甲骨の動きの限界です。

次に、背中をわざと丸めて同じことをします。さっきより手前で止まるなら、姿勢が腕の上がりを左右している証拠です。丸めても起こしても同じところで痛んで止まる場合は、肩そのものの問題かもしれません。

前かがみの仕事を続けながら、溜めこまない工夫

作業台の高さを変えられないなら、足の置き方を変えます。片足を半歩前に出す、足元に低い台を置いて片足を乗せる。それだけで骨盤の傾きが変わり、腰だけで上半身を支える時間が減ります。左右は時々入れ替えてください。

仕込みと仕込みの切れ目、洗い物が一段落したときに、両手を腰の後ろで組んで胸を開きます。五秒でかまいません。前に閉じ続けている体を、反対向きに一度ひらく。回数を重ねることのほうが、一回を長くやるより大事です。

長く切る作業が続くときは、まな板の下に台をかませて少し高くするのも手です。視線が上がると、頭が前に落ちる角度が浅くなります。

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