階段を上ると息が整わない方へ|一宮
公開日: / カテゴリ: サロンのNEWS
著者: 服部 健太(はかぜ整体院 院長・施術歴10年)
階段を上りきったあと、思ったより息が整わない。運動不足や歳のせいと片づける前に、呼吸が浅くなる体の仕組みと、自分で確かめる方法、机まわりでできること、先に病院で診てもらったほうがいいサインをまとめました。
息を吸うとき、動いているのは肺だけではありません。肋骨が外へ広がり、同時に横隔膜が下がることで、胸の中に空気の入る空間ができます。肺そのものは自分で膨らむ力を持っていないので、入る量は「入れ物がどれだけ広がれるか」でおおよそ決まります。
ここで効いてくるのが、胸まわりと背中の固さです。背中が丸まったまま固まっていると、肋骨は前も後ろも広がりきれません。一回で入る量が減るぶんを回数で補うので、浅く速い呼吸になります。階段のあとに息が整いにくいのは、心肺の力の話だけではないかもしれません。
浅い呼吸は、自分ではなかなか気づけません。息苦しいという感覚として出ないからです。かわりに、階段のあとに息が整わない、あくびが多い、夕方になると集中が続かない、といった形で出ることがあります。
姿勢との関係でいうと、頭が前に出ている時間が長い人ほど胸は開きにくくなります。前に落ちた頭を支えるために首と胸の前側が働き続け、その状態が続くと、胸の前は縮んだまま、背中は丸まったままになります。デスクワークやスマホの時間が長い方に多い形です。
もちろん、息が整わない理由が体の固さだけとは限りません。心臓や肺、貧血など内科的な理由でも同じ症状は出ます。まず危ないサインを外してから、体の使い方を見ていく。この順番を守ってください。
自分の呼吸が浅くなっていないか、確かめる
椅子に座って、片手を胸の上、もう片方の手をお腹に当てます。ふだん通りに息をして、どちらの手が動くかを見てください。胸の手だけが上下して、お腹の手がほとんど動かないなら、上のほうだけで呼吸している形です。
次に、両手を脇腹に当てて、手のひらを押し返すつもりで息を吸ってみます。左右どちらかだけ広がりが小さい、あるいは両方ともほとんど広がらない場合は、肋骨の動きが出ていません。
背中を丸めて座った状態と、座骨の上に乗って胸を軽く起こした状態で、それぞれ大きく息を吸って比べるのもわかりやすいです。同じ体でも入る量が違うと体感できると、姿勢の話が自分ごとになります。
机まわりで、胸が閉じたままの時間を減らす
画面の高さが低いと、顔が前に落ちて胸が閉じます。ノートパソコンなら台で持ち上げ、外付けのキーボードを足すだけでも、頭の位置と胸の開きは変わります。
一時間に一度、椅子の背もたれから体を離し、胸を開いて上を向いたまま数回呼吸します。長くやる必要はありません。閉じたまま固まる時間を切るのが目的です。
ただし、少し動いただけで息が切れる、横になると息苦しい、胸の痛みや動悸を伴う、足のむくみがある、咳や微熱が続いている。こうした症状があるときは、姿勢の問題と決めつけず、まず内科や循環器内科で相談してください。