立ち話で片脚に体重を預ける方へ|一宮
公開日: / カテゴリ: サロンのNEWS
著者: 服部 健太(はかぜ整体院 院長・施術歴10年)
立ち話のとき、気づくといつも同じ脚に体重が乗っている。楽だからやっているだけのつもりが、体の左右差として積み上がっていることがあります。片脚重心が起きる理由と、暮らしの中で自分のクセを見つける方法をまとめました。
駅のホーム、レジの列、人との立ち話。じっと立っている場面で、気づくといつも同じ脚に体重を預けている。そんな自覚のある方は少なくありません。
なぜそうなるかというと、両脚に均等に乗って立ち続けるのは、じつは筋肉を使う姿勢だからです。片脚に体重を預けると、骨盤を横に流して骨や靭帯でぶら下がるような格好になり、筋肉をほとんど使わずに立っていられます。体は楽な方を選ぶので、力を抜いた瞬間に片側へ流れます。
問題は、その「楽な側」がいつも同じだということです。片脚に乗ると骨盤は左右で高さが変わります。そのまま背骨が傾いたままでは目線が水平になりませんから、上のほうでどこかが逆向きに曲がって帳尻を合わせます。左右で肩の高さが違う、鏡に映る首の傾きが気になる、といった見え方はこの帳尻合わせの結果として出てくることがあります。
そして、この癖は立ち話の数分だけの話では終わりません。同じ偏りは座っているときにも、歩いているときにも顔を出します。いつも同じ側で脚を組む、荷物をいつも同じ肩にかける、ソファでいつも同じ向きにもたれる。ひとつずつは小さくても、起きている時間のほとんどで同じ方向へ体を傾け続けていることになります。
姿勢を良くしようと背中を伸ばしても、しばらくすると戻ってしまう。その理由のひとつがここにあります。上のほうの形だけを正しても、土台である足元の乗り方と骨盤の傾きが前と同じなら、体は元の帳尻合わせに戻るからです。直したい場所と、直す必要のある場所は、必ずしも同じではありません。
左右差そのものは誰にでもあるもので、あることが即座に不調を意味するわけではありません。ただ、片側だけがつらい、同じ側ばかり張る、という出方をしているなら、その左右差がどこから来ているのかを一度見ておく価値はあります。
持ち物から自分の偏りを読み取る
自分の重心の癖は、鏡の前で意識した瞬間に消えてしまうので、自分では捕まえにくいものです。かわりに、無意識のうちに癖が記録されている物を見てください。
いちばん分かりやすいのは靴の裏です。よく履いている靴を2足ほど並べて、かかとの減り方を左右で見比べてみてください。片方だけ外側が大きく減っている、左右で減り方の形が違う。そういう差があれば、立ち方や歩き方に偏りがある可能性があります。
かばんも手がかりになります。何も考えずに持ち上げたとき、どちらの肩にかけたか。いつも同じ側なら、その肩は日常的に上げた状態で固定されています。ズボンの後ろポケットに財布やスマホを入れて座る習慣も、座面の高さを片側だけ持ち上げるので同じ働きをします。
確かめるだけで直そうとしなくて大丈夫です。まずは自分がどちらへ偏っているかを知ること。それが分かると、次の「反対側も使う」が具体的になります。
立っている時間の置き換え方
片脚重心をやめようと力み続けるのは現実的ではありません。楽だから体が選んでいる姿勢なので、意志で押さえ込むと疲れて長続きしません。おすすめは、やめるのではなく入れ替えることです。
立ち話の途中で「いま乗っているな」と気づいたら、そのタイミングで反対の脚へ乗せ替えます。両脚均等をずっと保つのではなく、左右を交代しながら偏りの時間を分散させる、という考え方です。信号待ちやレジの列のように終わりが決まっている場面は、練習の機会にちょうどいいです。
あわせて、立っているあいだに足の裏の感覚を確かめてみてください。親指の付け根、小指の付け根、かかとの三点に体重が散っている感じがあるか。どこか一点に集中している感じがあるなら、そこがふだん負担を引き受けている場所かもしれません。
ひとつ注意点があります。片脚に乗るのが癖ではなく、反対の脚に乗ると痛い・力が入らない・しびれるという理由で避けているなら、それは癖の話ではありません。原因が別にある可能性があるので、その場合は医療機関で診てもらってください。